COLUMN

2020.08.04

インターネット時代で情報発信が簡単になったわけではない!

山田 山田

「インターネット時代の到来で、低コストで情報発信ができるようになった」「中小企業こそ取り組むべき」そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
今では「テレビや雑誌広告は難しいけれど、インターネットなら!」とSNSを始めても簡単には効果がでません。インターネットは決して情報を簡単にしたわけではないのです。

“簡単になった”という誤解

SNSでの情報発信は基本的に無料でできますし、消費者とのコミュニケーションも取りやすくなりました。なんなら、口コミも拡散しやすく使いこなすことができれば、無料でかなりの集客効果が期待できます。
ですが、そんな美味い話ってないんです。

インターネット戦略には多くの企業が多額の予算をかけて参入しています。そんな中に「無料で大手より!」なんて通用する道理はありません。

確かにインターネットにより情報発信は簡単になりましたが、あくまで発信するまで。それをしっかり届けるところまで考える逆に難しくなったのです。

いくら発信しても届かなければ意味はありません。
表面だけ見れば簡単になりましたが、全体を見るとそれは誤解だと言えるでしょう。

移行したのではなく、多様化した情報社会

インターネット社会に広告や情報発信手段が移行したのではなく、多様化していると考えると良いでしょう。
いくらインターネットが普及してもテレビを見る人も多いのです。新聞だってそう。情報発信手段としては高齢になればなるほどインターネット以上に効果的です。
つまり、消費者が情報収集をするツールが多様化しているのです。
インターネットだけをみても、広告の配信先はごまんとあります。SNSだけみても年齢層やライフスタイルによって、使っている層はさまざま。

以前であれば「テレビCMを流していれば認知度が上がる」「折込チラシだけで集客は十分!」といった企業も多かったのですが、現在ではそれも通用しにくくなっています。

受け取る側の接する媒体が多様化したからこそ、網羅しようとするとコストがかさんでくるのです。

広報・マーケティングの予算は増加

広告費の増加は数字にも現れています。
電通が発表した「日本の広告費」によると、2015年に1兆1594億円だったインターネット広告費は、2019年には2兆1046億円と5年間で9454億円増加しています。
しかし、テレビメディア広告費を見てみると、2015年に1兆9323億円で、2019年では1兆8612億円と減少しインターネット広告費と逆転しているものの、その減少幅は711億円とインターネットの増加幅と比較して少ないのです。
インターネット広告費が増加しても、既存メディアへの広告費減少は比例しておらず、広告費全体で見ると増加傾向にあるのです。

つまり、インターネット社会になっても、既存メディアの効果はあり、追加でインターネット広告を活用している企業が増加しているということです。

新聞やテレビなど既存媒体から100%インターネットに切り替えることでうまくいく、もしくはインターネットだけが効果的だという考えは幻想だということになります。

結果的に、広報予算も比例して増加している傾向にあり、インターネット社会が単純に情報を発信しやすくなったというわけでもないのです。

戦略的に取り組まなければ赤字

安価でインターネットによる情報発信に取り組もうと思うと、手間だけがかかり効果がでないのが現状です。
なので、まずはしっかり戦略を練ることが大切です。
どの層にどんな媒体を使って、なにをアプローチしていきたいのか。そのうえで適切な広告媒体を選び、それに応じた情報を発信しましょう!

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ライター紹介

山田

山田 桂士

マーケティング事業部ディレクター。前職は地方経済雑誌の記者。
戦略立案のほか、記事の校正作業や、編集全般を行っています。
夜眠るのが得意で、朝起きるのが苦手です。
人口減少という社会問題と、毛髪減少という個人の問題の解決が急務と考えています。

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