COLUMN

2020.06.23

ブランドを物語り世界観を形作る ストーリーテリングを用いたブランディング

山田 山田

マーケティングにおける手法のひとつに、ストーリーテリングというものがあります。

製品やサービス、ブランド、企業について、消費者が共感できるように、物語として物語る手法のことです。

人の感情を揺さぶることで、心を惹きつけることで、興味関心を得て、ファン化していくことができるのです。

これ、よく勘違いされがちで、決して会社の歴史とか経営者の熱い思いを語れってわけではないんです。今回はそんなストーリーテリングについて解説します。

みんなで同じ物語を共有しよう

ブランドにとってのイメージって、人それぞれ。でも、それってあんまりよくない状態なんです。

経営者、管理職、営業職、広報担当者、デザイナー、販売員……。きっと、商品やサービス、企業のブランドに対するイメージは人それぞれです。そんな状態で、ちゃんとした戦略を全社的に組み立てることはできません。

経営者は独自性を売り出したい、営業職はとにかく数を出したい、広報担当者は機能性を打ち出したい、デザイナーはおしゃれにやりたい、販売員はお得感を伝えたい。

そんな中で、情報を得た消費者は、きっと戸惑ってしまいます。

だからこそ、社内はもちろん、消費者まで同じイメージが共有できるような物語が必要なのです。

事例 無印良品の物語

イメージしやすいブランドは、無印良品ではないかと思います。

個人的に好きなお店なのですが、商品や店舗、サービス、広報などの世界観が完成していて、

「なんか無印らしくないな」みたいに感じることって、少ないんです。

無印良品のアートディレクションを担当している原研哉さんは、次のように話しています。

無印良品とは、単なる製品を超えたひとつの思想です。「豪華に引け目を感じることなく誇りをもって簡素であること。」「無駄を省いていくことによって、豪華なものよりもっと素敵に見える。」といった、グラフィックデザイナーの田中一光氏が提案した考え方を引き継いでアートディレクションを担当しています。

無印とクリエイター

多分、無印良品の商品を使ったことのある人は、「あ、なんか分かる」と思うでしょう。

このように、ブランドのイメージを物語として、しっかり固めることで誰しもが同じ認識を持つことができ、ブランド力の強化に繋がるのです。

出典元の記事、動画には広告に関しても触れていますので、興味のある人はぜひ!

ありがちな勘違い 自社の歴史紹介

ストーリーテリングをしましょう!というとよくやりがちなのが自社の歴史や思いを語ってしまうこと。

例えば、あるスーパーが、次のようなメッセージを配信していたら、どの様な印象を持ちますか?

当店は昭和19年の創業以来、お客様に寄り添うことを第一とした経営を続けてきました。創業者の田中太郎が掲げた「価格は安く、品質は高く」を現在に至るまで継続しています。現在では九州各店に30店舗を出店していますが、それでもなお地域とお客様に寄り添うことを忘れず、みなさまに喜ばれるお店であり続けるために、日々努力しています。

しっかり、お店の紹介をしているようで、正直、どんなお店なのかよく分かりませんよね。

ヒストリーとストーリーは別物なのです。

物語るべきストーリーは、文化であったり、思想であったり、価値観であったりと様々です。

自社で社員や顧客と共有すべき世界観をしっかり言葉で表すことで、戦略も明確になります。

あなたの会社は、物語るべきストーリーを持っていますか?

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ライター紹介

山田

山田 桂士

マーケティング事業部ディレクター。前職は地方経済雑誌の記者。
戦略立案のほか、記事の校正作業や、編集全般を行っています。
夜眠るのが得意で、朝起きるのが苦手です。
人口減少という社会問題と、毛髪減少という個人の問題の解決が急務と考えています。

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