COLUMN

2020.02.10

インフルエンサーマーケティングって実際どうなの?

山田 山田

「インフルエンサー」ってご存知でしょうか。影響力の大きい人のことを指します。

例えば、芸能人やスポーツ選手、特定の業界において有名な方、最近ではYoutuberや、SNSで多くのフォロワーを抱えている人などが該当します。

インフルエンサーが「このお店美味しいです!」というだけで、「あの人が美味しいって言っていたから行ってみよう!」と多くの消費者が動き出すのです。

この影響力を利用して集客や認知度向上につなげようという戦略がインフルエンサーマーケティングです。

ですが、このインフルエンサーマーケティングかなり勘違いしている人が多いので、正しいインフルエンサーマーケティングについて解説させていただきます。

インフルエンサーはインフルエンサーマーケティングを嫌っている

いきなり衝撃のキーワードかも知れませんが、インフルエンサーはインフルエンサーマーケティングを嫌っていることが多いのです。

なので、企業側がいきなりインフルエンサーに「報酬をお支払いするので、弊社の商品を紹介してください!!」というとおおよそ嫌な顔をされます。

これは決して報酬が安いからだとか、自社のイメージが悪いからだからというわけではありません。

まず、インフルエンサーがなぜ影響力を持つのか考えてみましょう。

インフルエンサーが影響力を及ぼす対象は、簡単に言えばインフルエンサーのファンなんです。

ファンはインフルエンサーに対して「この人の価値観が好きだ」「いつも面白いことをしてくれる」「筋の通った話が多く共感できる」など強い期待・共感を得ています。そこに信頼関係が成立しているため、消費者の行動喚起につながっているのです。

インフルエンサーたちは、この信頼関係を得るために学び、行動し、発信しつづけています。

インフルエンサーマーケティングはいわば、その信頼関係を金で買おうとしている行為なのです。

「あなたと彼の信頼関係を金で売ってください」と言われていい顔する人なんていませんよね。

安易なインフルエンサーマーケティングは誰も得しない

それでもどうしても自社の製品をこの人に紹介してもらいたい!

と思って、報酬を増やしたり、人脈をたどり近い人からお願いしたりして、なんとか依頼を受けてもらえたとしましょう。

例として、今回は河内研究所の広告運用プランをキングコングの西野さんに依頼したとしましょう。

西野さんはお笑い芸人でありながら絵本作家でもあり、実業家でもあり、新しい価値観やビジネスモデルを発信し、さまざまな方に支持を受け、Twitterのフォロワー数は27万人を超えている、日本を代表するインフルエンサーの一人です。どんな方かわからない人は、自分の知っているインフルエンサーで当てはめてください。

そんな西野さんが「河内研究所の広告運用が効果抜群です!」と突然、SNSや動画配信で言い出したとしましょう。

彼のファンたちは思うはずです。

「ん?なんかいつもと違うこと言い出したな」

「え?西野さんそんなサービス使ってるの?」

彼自身がこれまで続けてきたブランディングや、発信してきた価値観と全く違う情報が突然飛び出たことに周囲は驚きます。

これだけでも、彼の信用はガタ落ちです。それも報酬を受け取って発言していることがバレたら、さらに信用が落ちるでしょう。

そして、信頼をなくしたファンたちから河内研究所の広告運用プランが支持されるはずもありません。むしろ悪い印象を受ける人が多いでしょう。

インフルエンサーにとって、報酬を受け取って、自身に関係のない製品やサービスを紹介することは信頼を失墜させるデメリットでしかないのです。

多くのインフルエンサーたちがこの事実に気づいています。

信頼を失ったインフルエンサー、悪印象を持たれた企業、信頼を裏切られたファン。

こんなの悲劇でしかありません。

インフルエンサーマーケティングを成功させる3つの手法

では、インフルエンサーマーケティングは無意味なのか、やらないほうが良いのかと問われれば、答えはNoです。

正しいインフルエンサーマーケティングに取り組めば、信頼を損なわず、成果に繋げることができます。

インフルエンサーマーケティングを行いたい場合、かならず意識すべき3つの手法をご紹介します。

自社の商材にマッチしたインフルエンサーを選ぶ

まずは、起用するインフルエンサーが自社の商材に適しているのか考えましょう。

単純に「影響力が強い」と言っても、周囲のファンの特性はさまざまです。安易にインフルエンサーを選ぶと、確実に効果が得られる層にリーチできる可能性は低いのです。自社の所在に興味のあるであろうファンを抱えているインフルエンサーを選びます。

大切なのはインフルエンサー自身に自社の商材のファンになってもらうことです。

インフルエンサーが発信する情報は自分自身が有益だと思う情報です。そしてその情報の一貫性がブランドになっています。

ですから、インフルエンサー自身が気に入り有益だと思えた場合、本人のブランドや信頼を崩すことなく拡散することが可能なのです。

まずはしっかりプレゼンし、ファンになってもらいましょう。

そして、具体的な発信方法については、インフルエンサーの意向を尊重しましょう。

対象となるファンの琴線は、企業よりインフルエンサーの方が理解しているからです。

コラボ企画など自社とのやり取りが明確な手法を選ぶ

インフルエンサーが情報を発信しやすいようにするために有効な手法のひとつに「コラボ企画」があります。

コラボ動画や対談記事、キャンペーンなど題材は問いません。

これは、単純にインフルエンサーが「この商品すごいよ!」というより、「○○社さんのCMに起用されました!」と発信した方が自然な形で発信でき、安心して見ることができるためです。

ステルスマーケティングと呼ばれる手法は消費者が賢くなったいま、なかなか通用しません。関係性を明確にすることで信頼を勝ち取りやすくなります。

なので、自社の商材を直接発信してもらうのではなく、自社の商品につながる発信材料を用意してあげましょう。

インフルエンサーの視野に入り続けることで、自然に拡散してもらう

インフルエンサーマーケティングの手法はなにも報酬を渡して紹介してもらう、コラボ企画をやるなど直接的なものだけではありません。

難易度は高いですが、こちらから直接的なアプローチをせずに自然な形で紹介してもらうこともできるのです。

そもそも、インフルエンサーが発信している情報は基本的に誰かから頼まれて発信したものではありません。

自分自身で見つけてきた、もしくは考えついた情報を発信しているのです。

であれば、インフルエンサーが発信したくなる情報を、インフルエンサーに対して発信し続ければ、自然な形で拡散される可能性があるのです。

長期的にSNSを運用していると、突然いいねやリツイートが普段より増えることがあります。短期間で急速に情報が拡散されることは「バズる」と呼ばれます。ただし、自然に数千、数万人に拡散されるのは難しいので、100人単位のバズリを意識したら問題ありません。これを「ちょいバズ」と呼びましょう。

「ちょいバズ」投稿を細かく分析してみるとインフルエンサー的存在に投稿がシェアされ、そこを起点に拡散されていることが多いのです。

もし、自社のSNSで「ちょいバズ」の経験があれば、起点となったインフルエンサーを探します。

見つけ出したら、その人のシェアしている情報や発信している情報の傾向を細かく分析してみましょう。

そして、その人がまたシェアしそうな形で情報を発信するのです。そうすれば再度シェアしてもらえる傾向は高まります。

より確率を上げていきたいのであれば、コメントを残すことも有用でしょう。

「シェアありがとうございます!」のひとことでも、相手の意識に止まることができます。

コメント付きでシェアされているのであれば、それに対して言及するとより深い関係になれるでしょう。

関係性が構築できれば、自然とインフルエンサーが自社のことを言及してくれる可能性が高まるのです。

地方でもインフルエンサーマーケティングはできるのか?

インフルエンサーマーケティングは、単純に「発信力のある人に発信してもらう」だけでは駄目だということがお分かりいただけたでしょうか。

どんなインフルエンサーに、どんな人達に、どんな情報を、どんな風に届けたいのか、綿密な戦略設計が必要です。

そして、インフルエンサーへの理解、信頼関係の構築など時間のかかるものなのです。

戦略の面で言えば、地方におけるインフルエンサーマーケティングでは、さらに有用な手法があります。

ターゲット層が属する○○界隈のプチ・インフルエンサーを複数探す

そもそも、地方を対象としたときに、1万人規模のフォロワーやユーザーを抱えるインフルエンサーを見つけ出すのは至難の技です。見つけ出したとしても、自社の商材に適した人物であるとは限りません。

そこで、地方におけるインフルエンサーマーケティングは、最初にターゲットとるする人的なエリアを定めることが重要となります。

TwitterやFacebookなどのSNSを見ると、特定の分野においてゆるいコミュニティーがあるんです。

例えば、若者のビジネス領域、アート関連領域、グルメ領域、音楽領域などなど分野に応じて、共通の話題を共有しているユーザーが自然にできあがったコミュニティーを形成しています。

そして、そのコミュニティーには数百人~数千人のフォロワーがいて、一定の発信力を持っている人物が複数人いるケースが多いのです。

地方におけるインフルエンサーマーケティングでは、そこを攻めます。

「AさんとBさんが○○について話している!もしかしてこれ熊本のトレンドなのでは?」

といった印象を、コミュニティー内で広げていくのです。

手法としては、前述した「インフルエンサーの視野に入り続ける」方法で通用します。

もしくは、興味を持ってもらえそうなイベントを開催して、ゲストとして招待。この際、無理に発信をお願いしないことが大切。上手く発信したいと思わせるコンテンツを準備して自主的に発信してもらいましょう。しれっと「いつもTwitter見て参考にさせてもらっています!」など伝えて、意識させるのも効果的です。

そもそもターゲットとしている地域的なインフルエンサーやコミュニティーが見つからない

いくら探しても対象となるインフルエンサーやコミュニティーが存在していない場合もあります。地方ならなおさら。

これはチャンスです。

自分自身が、インフルエンサーになりましょう。

例えば「熊本の飲食業界でのインフルエンサー」が存在しないとしましょう(いたらごめんなさい)。

めちゃくちゃ美味しい調味料を開発したから、業務用として飲食店に卸したい!インフルエンサーマーケティングしたいけど、いない!コミュニティーも見当たらない!となったら、自分が飲食店の店主や料理人に好まれる情報を発信し、コミュニケーションをとりまくり、インフルエンサーになってしまえば良いのです。

競合がいないので、難易度はそこまで高くありません。

この例の場合、

「品切れしやすい食材を調達できる食材別下通界隈のお店」

「意外と扱ってるお店無いけど美味しい食材」

など飲食店の店主を狙い撃ちする情報を頻繁に出していくのです。

リアクションがあれば、コミュニケーションあるのみ!ひたすら関係性を構築します。

「この人のいうこと参考なるな」「共感できるな」というファンが増えれば、インフルエンサーへとなっていけます。

そんな人が販売している商品であれば、試してみたくなっちゃいますよね。

ということで、インフルエンサーがいなければ、自分(自社)自身をブランディングし、有益な情報を発信し続けることでインフルエンサーになってしまえば良いのです。

まとめ インフルエンサーマーケティングは信頼関係と共感を意識

インフルエンサーマーケティングは注目されつつも、実際にやろうとすると効果を出すのが難しいのです。

しかし、「インフルエンサーとファンとの信頼関係」「インフルエンサーの共感を得る」ことをしっかり意識して、自社の商材のPRさえインフルエンサーのブランディングに繋げられるようにすることで、承諾率も効果も増します。

そこを理解した上で、しっかりと戦略立てて実践していきましょう!

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ライター紹介

山田

山田 桂士

マーケティング事業部ディレクター。前職は地方経済雑誌の記者。
戦略立案のほか、記事の校正作業や、編集全般を行っています。
夜眠るのが得意で、朝起きるのが苦手です。
人口減少という社会問題と、毛髪減少という個人の問題の解決が急務と考えています。

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