COLUMN

2020.05.21

リモート演奏の難しさを体感した話

武藤 武藤

先日、ふと吹奏楽部のリモート演奏の企画を思いつき、さっさと行動に移しました。

詳細はぜひ肥後ジャーナルをご覧ください。

単に読者側の目線で「見てみたい」と思い、やってみてのですが、これまあ想像以上に大変でした。これから先、もし「自分たちでリモート演奏してみよっかな」と思う方がいるのであれば、ぜひ参考にされてください。

あれzoomじゃない

「実際にしてみよう」と熊本県立北高等学校に協力を経て、まずはzoomで演奏をしてみることにしました。理由としては2つ。

  • リモート演奏=zoomだという思い込み
  • 北高吹奏楽部は「おてもやん」を楽譜を見ずとも演奏できるくらい、体にしみこんでいるので、多少指揮や周囲がズレたとしても、変わらず演奏できるはず、という思い込み。

実際にやってみたのがこれです。

まあ!しちゃかちゃwww

一番生徒がテンヤワンヤですよ。

てことで、ここで気づきました。zoomでリモート演奏は無理だという事に。

自撮り動画の編集が困難を極める

zoomが無理なら、個人のスマホで演奏の自撮り動画を撮ってもらい、それを合わせればいいじゃない。

そう思い、生徒と先生にお願いし、動画を集めることに。念のため先生の指揮の動画とメトロノーム動画の2種類を準備しました。

あとは正しいリズムや音程がわかるように、以前コンクールで演奏した時の動画もサンプルとしていただきました。

もうあとは簡単。はめ込むだけ。

そう思っていたのです。

恥ずかしながら単に頭の音を合わせただけで、あとは勝手に合うだろうとすら思い、鼻ほじって生徒からくる動画を心待ちにしておりました。

そして、届いた動画を合わせ、最初の音を合わせてみました。

あわねーーーーーー!!!!!!!

なんこれ、もはや雑音レベルやん!!!

しかし何が合わないのかすらわからない。急いで顧問の先生に連絡をとり

「最初の音って全員出してますよね?」

「出してませんよ。16分休符から出すパートもありますね」

マジか…

0.13秒の壁

正直、どのパートがどのタイミングでどの音を出しているのか。

楽譜を所有していない外部の人間が判別するのは至難のワザです。そこで顧問の先生に、具体的な指示(タイミングなど)をいただいたのですが、それでもなんか合わない。

もうモノマネ審査員のように、連日自宅でヘッドフォンつけて

小さな不協和音も逃さない勢いで調整してみました。

それでも合わない。素人には結構な壁。

やっと合った!!!と思っても、今度は自撮りの動画がなんだか音とずれている。まだ演奏部分がズレているのならばいい。先生の指揮がズレてきている。

もちろんプロである先生がそれを見逃すはずもありません。

「武藤さん、私の指揮が0.13秒ずれています」

もう詰んだ。

0.1秒ならどうにかなる。0.13秒てなんやねん。

しかし言われてみれば確かになんだか違和感のある指揮。こうなるともう先生と私の意地の張り合いです。

やってやろうじゃないの。0.13秒の壁。

完成するころには、生徒が我が子のように思えてくる。

毎日毎日、最低でも4時間程度、子供が寝た後で北高の演奏を聴く日々。

なんでしょうか。私に枯渇していた母性があふれ出て仕方ない。

こんなに頑張っているのに、それを発表できるステージがどんどん中止になるというニュースばかり。特に3年生の心中を考えると、どうしようもない気分になってくるのです。

つらいこともあっただろう。

それでも、3年間同じメンバーで一緒に泣き笑いしてきたメンバーと、先輩たちと同じように卒部を迎えたかっただろう。

それなのに。

この子たちはただただ必死にがんばってきていたのに。

0.13秒があわずキーキー言っている自分が恥ずかしい。私のくやしさなんて、この子たちと比較するのもおこがましい。

そう思えるようになってきました。

まとめ

今後もしリモート演奏を検討しているのであれば、編集する人は最低でも演奏を熟知している方でないと非常に難しい作業です。

しかし

そこを乗り越えれば、とんでもなく母性があふれ出してきますよ。

これからも微力ながら、熊本県内の高校生を応援していきたいなと思います。

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ライター紹介

武藤

武藤 佑香里

松坂世代で阿蘇生まれ、熊本市在住。
年齢を重ねたものの、いまだ何かが分かった訳でもなく。ただ迷いつつ、でもがむしゃらに手探りでどーにかこーにか生きております。
元金融なのに計算があまり好きではありません。四十肩防止で毎朝ラジオ体操が日課(にしたい)。

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