COLUMN

2021.05.11

「そうだ、YouTube始めよう」 企業がYouTubeチャンネルを解説して陥りやすい罠

山田 山田

最近、「会社の広報戦略にYouTubeを使おう!!」という企業が増えています。広報活動に積極的な企業であれば一度は考えて見たことがあるはずです。ですが、簡単そうに見えてかなり難しいYouTube戦略。なめてかかると結局、時間とコストだけかけて何の効果も得られない…といった結果に終わります。今回はよくあるYouTube戦略失敗あるあるを交えながら、初めて挑戦する際に心がけておきたいポイントを解説します。

なぜYouTubeを始めるのか

まず一番大切なのは、「なぜYouTubeを始めるのか」です。

よくあるのが「世の中、YouTube。この流れに乗らないわけには行かない!!」と流されるように始めてしまい、何を目的として始めるのか、曖昧なままスタートしてしまうことです。

「自社、ブランドの認知度向上」「新規リード(潜在顧客)の獲得」「新商品の販売促進」など目的はさまざまでしょう。

この時大切なのは、短期的に成果を出したい場合、YouTubeチャンネルを開設しての運用は不向きということです。

上記に挙げた例で言えば、「新商品の販売促進」がそれにあたります。

YouTubeチャンネルを開設し、再生数を増やし、チャンネル登録者数を増やし、多くの動画を多くの人に何度も見てもらうためには、視聴者のファン化が必要です。そこには最低でも半年~1年かかる覚悟が必要です。

そのため、新商品の販売促進やイベントへの集客を目的とする場合は、動画の投稿ではなくYouTube内での動画広告の方が効果を発揮しやすいでしょう。

誰に向けた何のための動画なのか

つまり、YouTubeチャンネルを開設し、動画マーケティングを行う場合、長期的な戦略設計が必要なのです。

そこで重要となるのが、どんな視聴者に対してどのような動画を配信するのかです。

一方的に自社やサービスの宣伝をするだけの動画では、視聴者に興味を持ってもらえません。

自社の商品・サービスを必要としている人が、一体どんな情報を必要としているのかを分析し、寄り添った動画を配信していく必要があります。

ありがちなミスは、PRポイントひたすら動画に詰め込んで一方的に情報を押し付けるような動画。これは視聴者に寄り添っていないため、継続的に動画を見てれるファンが生まれず、いくら動画を配信しつづけても効果は出にくいでしょう。

動画を配信するだけで流入の導線がない

続いて、効果が得られない理由として多いのが、作成した動画をただYouTube上で公開しただけで、動画を見てもらうための仕組みがないため、ほとんど視聴されないという状況です。

そもそも見てもらえていないわけですから、効果があるはずもありません。

YouTubeの視聴者が増えているとはいえ、同じく配信されている動画も増えているため、ただ視聴してもらうだけでも、しっかり導線を準備する必要があります。例えば広告を配信する、SNSで発信する、検索されやすい工夫をする、などです。

検索結果や広告として表示されるタイトルやサムネイル画像を試行錯誤する必要もあります。

ここを意識せずにただひたすら動画を配信し、座して待つだけではなんの効果も得られないでしょう。

更新が止まる

続いて、あるあるとして多いのがYouTubeチャンネルを開設したものの更新が止まる事態です。

最後に公開した動画が1年前、しかも公開した本数が4,5本だけ…というアカウントは決して珍しくありません。

これにはいくつも要因があるのですが、特に多いものが

  • 発信する情報のネタ切れ
  • 担当者の負担増
  • 予算の不足

この3つが多いでしょう。

1つ目のネタ切れに関してですが、YouTubeチャンネルを軌道に乗せるにはよほどのノウハウがあったり、予算をかけたりしない限りは最低でも月に1本~3本ほど動画を配信しつづける必要があるため、あっという間に配信するネタがなくなってしまいます。チャンネル開設以前より、年間計画を立て、どんな動画を配信していくか決めておくと良いでしょう。

続いて、担当者の負担増です。技術の進歩で動画の撮影から編集、公開までの作業は飛躍的に簡単になっています。とはいえ、戦略に基づいて企画を立て、動画を撮影し、編集し、公開する作業にはとても時間がかかります。外注するにしてもディレクションには時間が取られるますし、自作するのであればなおさら負担は増えます。

よほど人員が充実している企業でない限り、専任の担当者をつけることはできませんから、他の業務と平行してうまく回らなくなるケースも珍しくないのです。

最後に、予算不足の問題です。YouTube戦略はよほど良いものを作り広告予算をかけない限りは、効果が出るまでに時間がかかります。それこそ年単位での計画が必要です。

1年そこらでは赤字になるケースがほとんどなので、短期的に見てしまうと費用対効果が悪く予算がつかなくなり配信がストップするケースが多いのです。

大切なのは戦略設計と体制

YouTubeチャンネルを開設し、動画を配信し利益につなげていこうと考えた際は、まず目的を明確にし、長期的な戦略を立てます。その際に明確なペルソナ、流入経路、視聴者の次の行動、最終的な目標値を定め、今後の配信計画まで決めてしまいます。本格的に望むのであれば3カ年計画など中長期的な計画が必要でしょう。

その上で、運用体制や予算もしっかり定めておくことで長期的な運用が必要でしょう。

YouTubeを活用した動画戦略は、うまく運用できればしっかり効果が期待できます。しかし、安易な考えでうまくいくなんてことは奇跡に近いことですので、計画的に実施して、途中で頓挫することのないように心がけましょう!

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ライター紹介

山田

山田 桂士

マーケティング事業部ディレクター。前職は地方経済雑誌の記者。
戦略立案のほか、記事の校正作業や、編集全般を行っています。
夜眠るのが得意で、朝起きるのが苦手です。
人口減少という社会問題と、毛髪減少という個人の問題の解決が急務と考えています。

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