コラム
COLUMN
明確なターゲットを!広報・マーケティング戦略における「ペルソナ設定」の手法
今回は広告・広報はもちろん、ブランディングやマーケティング戦略に欠かせない「ペルソナ設定」について、重要度や具体的な手法について解説していきます。
ターゲットより明確にペルソナとは具体的なユーザー像!
そもそもペルソナとはなんでしょう。
マーケティングにおいてペルソナは「具体的で詳細なユーザー像」を指します。「ターゲット」と混同されやすいのですが、ペルソナはより詳細に個人的な情報まで設定したものです。
よく「ターゲットは30代の女性です」といったターゲットを耳します。ですが、それは非常に曖昧で効果的では無いんです。
一つ例に2パターンの30代女性の簡単なペルソナを紹介しましょう
30代女性 パターン1
鈴木 幸子
・36歳
・主婦
・週4日パート勤務 事務職
・小学1年生の娘が一人
・旦那は1歳年上で食品会社の営業マン
・帯山のマンションに親子3人で暮らす(ローン残り29年)
・家事の合間にテレビやフリーペーパーを眺めるのが娯楽
・自分の時間が取れないのが悩み
30代女性 パターン2
酒井 瞳
・34歳
・独身
・金融系の正社員
・実家は人吉で現在は熊本市内の賃貸マンションに一人暮らし
・休みの日は友人と旅行に行くか、家で寝ている
・暇なときはスマホでInstagramを見ている
・恋人なし、帰省する度に結婚の話をされるのが悩み
どうでしょうか、どちらも30代の女性ですが、商品やサービスを販売していくにあたり、
アプローチの手段は大きく変わってきます。
これを見ると「30代女性」というターゲットと「鈴木幸子」や「酒井瞳」というペルソナ、どちらを設定した方がより効果的か、分かると思います。
商材によりますが、「30代女性」という範囲でアプローチすると、母数は増えるものの、ヒット率は下がります。
逆に細かなペルソナに沿ってアプローチすると、母数は減少しますが、ヒット率が上がります。
架空の人物でも自社の商材を必要とするペルソナを設定することで、広告媒体や出し方が大きく変わるのです。
社内(チーム内)におけるペルソナの重要性
ペルソナを設定することは社内での認識を統一するためにも有用です。
たとえば「新商品は30代女性をターゲットに販促していきます」と発表されたとき、
鈴木幸子さんをイメージするスタッフもいれば、酒井瞳さんをイメージするスタッフもいます。
その状態で会議を進めても、意見が割れてしまいます。
明確なペルソナを設定することは、「この人に買ってもらおう」という具体的なイメージにもつながるのです。
そのため、商品の企画段階や、戦略を練る前に、まずペルソナを設定することが重要なのです。
ペルソナの設定方法
では、ペルソナはどのように設定するべきなのでしょうか。
基本的には複数人で意見を出し合ったものをまとめるといいでしょう。
可能であれば、マーケティング担当者だけではなく、営業や接客、事務などさまざまな視点から意見を集めると良いでしょう。
必要な項目としては
- 属性
名前、性別、年齢、職業、家族構成など - ライフスタイル
移動手段や休日の過ごし方、娯楽など
また、情報収集ツールなどもあると良いでしょう。 - 悩み・思考
日常的な悩みなどを自社の商材に関連する部分だけでなく幅広く設定しましょう。
ここまで詳細な設定をすることで、社内での意思疎通が円滑になります。
イメージしやすいように顔写真もつけると良いでしょう。
ペルソナの活用方法
設定したペルソナは、広報やマーケティングなどの分野で戦略設計に使います。
ペルソナの立場に立ち、思考をイメージし、「この人はこうしたら関心を持ってくれる」「こういうサービスなら喜んでくれる」という流れで戦略を立てます。
まずは1つの商材・サービスにつき1つの戦略、1人のペルソナが好ましいです。
半年ほどのスパンで実際の数字をベースに微調整していきましょう。
ペルソナ設定の注意点
ペルソナを設定する際、注意すべきは同じ系統の人物のボリュームです。
ペルソナは実際の消費者と完全に一致する必要はありません。そもそも完全に同じ属性、同じライフスタイルの人間なんて存在しません。しかし、同じ系統の人間に響けば問題ないのです。
ペルソナの役割は、戦略設計の軸にして、方向性がぶれないようにすること、メンバー内の認識を統一することです。
そこで注意しなければならないのが、ボリュームなのです。
例えば、「金メダリスト」や「ノーベル賞受賞者」という設定をしても、市場自体が狭すぎるのです。
一定のボリュームがあり、一般的なペルソナを設定していきましょう。
難しい場合は共通の知り合いをペルソナにするのも手ですよ。
しっかりとペルソナを設定して、自社の戦略に活用していきましょう。
ライター紹介
山田 桂士
マーケティング事業部ディレクター。前職は地方経済雑誌の記者。
戦略立案のほか、記事の校正作業や、編集全般を行っています。
夜眠るのが得意で、朝起きるのが苦手です。
人口減少という社会問題と、毛髪減少という個人の問題の解決が急務と考えています。
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