COLUMN

2020.03.09

新型コロナ禍を考える

坂田 坂田

新型コロナウイルスの感染者が、世界中でどんどん増えています。感染された方々の少しでも早いご回復と、亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

かつて経験したことのない状況の中で、私たち広告屋やメディア側にできることは何なのだろう。日々、考えています。

いま、何を発信したら良いのか


他者を見る目が、厳しくなっています。
電車の中でマスクをせず咳をしたからと緊急停止ボタンが押されたり、マスクを求める行列に横から入られたと言って殴り合いのケンカが起きたりしている。公園で遊ぶ休校中の子供たちに、冷たい視線が向けられることもあるようです。

この状況の中で、人が集まるところへの外出を推奨できるのか。ぜひお店に来てね、と言って良いのか。
楽しいお出かけ情報を紹介して、不謹慎だと叱られたくない。炎上したくない。

情報を発信する側に立つ多くの人が、いま直面している悩みです。

経済的な損失をスルーできない


感染症のリスク管理と活発な経済活動を両立させるのは、今のところなかなか難しそうです。

局地的な被害ある地震や集中豪雨と違い、新型コロナ禍は、全世界が同時に危機にさらされています。被災地以外は経済活動をがんばろうぜ、という区分けができない。

一方で、何としても防がなければならないのは、ウイルス感染症による死者だけでなく、経済的に追いつめられて死ぬ人が出ることです。

差別や風評被害は、おそろしいものです。不安は、時に連鎖します。
心の健康が損なわれたり、解雇や廃業などで金銭的に困窮したりする人を出してはならない。

厚生労働省の発表によれば、集団感染の共通点は

「換気が悪く」
「人が密に集まって過ごすような空間」、
「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」

です。

感染リスクを高める行為は避けなければならないけれど、何もかも控える必要はないはずです。

不要不急の外出って、何だろう

こまめに手洗いうがいをして、不要不急の外出を避ける。
直接的な治療法がない現状では、それがかなり有効な対策であるようです。

でも、不要不急のどうでもいいお出かけだって、人生には案外大切だったりするのです。

ふらりと散歩に出かける、友達とおしゃべりしながら食事をする。ショッピングモールや映画館に行く。
そんな時間がどんなに贅沢で幸せなものか、私たちは熊本地震の時に嫌というほど知りました。

どうでもいい、くだらないけれど純粋に楽しいことをする時間こそが、精神の安定を生むかもしれない。
たとえ非常時でも、落ち着いたらここへ行ってみよう、と思いながら読むお出かけ情報があって良いのではないかと思うのです。

情報収集を続けつつも、メンタルを弱らせないこと、経済活動の縮小を広げないことを意識したい。
感染リスクを増やす行為は避けながら、ルーティンはできるだけいつも通りこなすよう心がけたいものです。

今回のコロナ禍への向き合い方について、正解はまだ分かりません。
それでも、日々の生活は続きます。

不安なことがある中でもちょっと息抜きになりそうな、平和で楽しくて、なくても困らないかもしれない情報。
そんなことを、私は書きたい。

コロナ疲れなんて、して欲しくないのです。
気持ちだけでもほんの少し春らしく、軽やかに過ごせる人が増えますように。


ずっとコロナコロナ聞きすぎたせいか、スーパーの店頭で見かけたコロナビールを買ってしまいました。
今夜にでも、一気飲みしようと思います。

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