コラム
COLUMN
サンタさんがいる、って小学2年生の時に知った話
もうすぐクリスマスですね。
毎年この時期になると思い出す、サンタクロースの話を書いてみます。
サンタクロースはいるのか問題
あれは小学校2年生の頃、12月のある日。
サンタクロースはいるのか、いないのか、をテーマに、お昼休みの平和な教室内が真っ二つに分かれる大論争になったことがあった。
「サンタいる派」の根拠は主に「だって毎年サンタさんからプレゼントもらってるから」というもの。
ファミコンをもらったとか新しいグローブが置いてあったとか、シルバニアファミリーがどうとか、そういう話だった。
私を含む「サンタいない派」は、「それは親が置いてるんだよ、サンタさんじゃないよ」と真っ向から否定した。
私の父母は、ふつうに自分たちからのプレゼントとしてバービー人形とかをくれるタイプだったのだ。
いない派は、多分みんなそんなふうに、保護者がサンタさんのふりをしてプレゼントを置いていく習慣のない家庭だったのだと思う。
「夜の間に世界中の子供にプレゼント置いて回るとか時間的に無理じゃない?」「ていうかそもそも実在するわけないし」みたいなことも、いない派のメンバーたちは言っていたように思う。
小学2年生なりに議論は白熱して、中にはうすうすサンタさんはいないのかも、と感じつつも信じようとしていたような女子が泣き出したりもして、クラス中が大騒ぎになった。
水野先生の答え
午後の授業が始まるチャイムがなって、担任の先生がやってきた。担任は水野先生という女性の体育教師で、いつも赤いジャージを着ていた。
いつまでも騒いでいる男子や泣いている女子を見て、何事かと先生は尋ねた。
クラス1の優等生的な男子が「サンタクロースがいるかいないかでケンカになったのだ」と手短かに説明した。
先生はクラス全体を見渡すとにっこり笑って、「分かったわ、じゃあ今からみんなに先生が本当のことを教えます」と、おごそかに語り始めた。
「サンタクロースは、います。
サンタさんは、クリスマスイブの夜に世界中の子供たちにプレゼントを配ります。
朝起きて、欲しかったものが枕元に置いてあったら、それはたぶんサンタさんからです。
そして、もし何もプレゼントがないように見えても、ちゃんと目に見えない贈りものを置いていってくれるの。
それは、試合でホームランが打てるようになることかもしれないし、新しいお友達ができることかもしれない。
サンタさんは、そういうプレゼントをみんなに配っているの。
それにね、子供だけじゃなくて、サンタさんは私たち大人にだってプレゼントをくれるのよ。
先生は毎年何か良いことが起きると、サンタさんありがとう、って思うの。」
クラスのみんなが、黙って聞いていた。
最後まで騒いでいた男子も、さっきまで泣いていた女子も。
「だから、サンタさんはいるんだよ。」
先生は、ゆっくりとそう言った。
私は間違っていた、と思った。水野先生の言う通り、サンタさんはいるんだ、と思った。
今年のクリスマスは
そんなことがあって、30年以上たった今でもずっと、サンタさんはいるのだと信じています。
そして今年はどんなプレゼントをくれるのかなって、毎年どきどきしたりするのです。
水野先生がサンタさんからもらっていたプレゼントって、どんなものだったんだろう。
最近は、ふとそんなことを思ったりもします。
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ライター紹介
坂田 恵里
ライター兼雑用係。移住組のよそ者ですが、熊本が大好き。おいしい飲食店の情報を探すうちに肥後ジャーナルに出会った元読者です。
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