コラム
COLUMN
忘れられない言葉たち:量が質をつれてくる
文章を書くのを仕事にしていると、言葉というものの難しさや奥深さを日々感じます。
そしてふり返ってみると、これまでの人生で出会った「忘れられない言葉」というものがいくつかあります。
前回は国文学の教授が放った「わが国では古来、烏帽子以外のものを公の場でかぶることは認められておらぬ」というキラーフレーズ。
今回も、そんな忘れられない言葉たちのひとつについて、書いてみます。
—————————————–
社会人になって数年、不動産屋で働いていた時のこと。
少しずつできることが増えてきたような気がしながらも、うまくいかないことばかり。
そんな、ほんの少しだけ行き詰まっていた時に、とある尊敬するビジネスマンからさらりと言われたのがこのフレーズでした。
「Quantity(量)がQuality(質)を凌駕する」
量は質をつれてくる。圧倒的な数をこなせば、質が上がる。
それまでにも、耳にしたことはあった言葉です。一昔前のビジネス書には、何度も出てきていたような気もします。
でも、本当にそうかもしれないな、と思ったのは社会人になって数年たっていたからかもしれないし、圧倒的に成果をあげている人の口から聞いたから、かもしれません。
数をこなしていると、品質は自然と追いついてくる。
深い言葉です。
少しだけ危険な言葉かもしれません。根性論みたいになってしまったら大変です。
でも、20代半ばでまだまだ背伸びしたかった自分には、何だかとてもしみました。
やっていると思っていたけれど、まだまだ足りないんだな、と素直に思ったものです。
「凡人は、とにかく数をこなすという経験も、ある程度は必要なのだ」とも言われたように記憶しています。
「ある程度は」の加減こそ難しいけれど、40代になった今、しみじみとその通りだと思うのです。
今なお、質を担保できるほどの量を、自分はこなせていないかもしれない。
まずはたくさんやってみる。質をつれてきてくれるほどの量をこなす。
いつも意識していたいと思います。
- この記事のキーワード:
ライター紹介
坂田 恵里
ライター兼雑用係。移住組のよそ者ですが、熊本が大好き。おいしい飲食店の情報を探すうちに肥後ジャーナルに出会った元読者です。
CONTACT
お問い合わせ
広告のことで悩んでいることがあれば、
お気軽に河内研究所にお問い合わせください。
全力で最適な広告提案をさせていただきます。